When Doves Fly

When Doves Fly

中国のコンテスト優勝カメラマン、ハトの写真合成で謝罪ロイターより)


何につけても中国が中国が、と言いたくないが、中国で写真のねつ造が発覚した。2005年に「第1回国際報道写真コンテスト」で金賞を受賞した作品がそれ。医療関係者がハトに鳥インフルエンザのワクチンを接種している場面を写した作品。この写真の背景に飛んでいるハトを合成したという。

以前のエントリーで私がアイコラ戦士であるとカミングアウトした事は記憶に新しいと思うが、そりゃもう合成は楽しい。そこにあるものを消したり、ないものを加えたりとテレビで最近よく見るちょっとしたアハ体験だ。今回のねつ造もフォトショップで行われたと言うが、プロの審査員の目すら欺いたそのテクニックとフォトショップの性能には拍手を送りたい。もちろん拍手を送るといってもねつ造を肯定しているわけではない。国際機関が運営等のパブリックなコンテストではやっちゃダメだ。たとえハト一匹であろうと事実を歪曲したことに変わりはない。もちろん色補正、明度調整だってダメだ。現場でシャッターを切る、その一瞬ですべてフィニッシュさせる。保存したその瞬間を発表する場、あくまでもそれがコンテストだ。

仕事柄、フォトショップを使用しての合成や色調整はいつものことだ。電線を消してくれとか、看板を消してくれ等の風景の美化はもちろん、シミを消してくれとか、ホクロを消してくれ、髪の毛を増やしてくれ等の美容整形手術なども日常茶飯事。一度なんか二重アゴを消してくれと言われ消してあげたはいいが、どうにもふくよかな顔とのバランスが悪くなり、ついには別人にしてしまったという経緯もある。

画像を効果的に演出するという意味において、これらの虚飾は必要不可欠であるとは思う。それがパソコンで手軽に出来るとなればなおさらだ。世の中に溢れる雑誌等の印刷物の数だけフェイクが存在するという事実をどう捉えるかは、各人の自由なところではあるが、過ぎたるは及ばざるがごとし、過剰な演出は時に味気なさを産む。その見極めができる人がプロということになるのかもしれない。私は遠く及ばないが。

コンテストでの画像をねつ造したカメラマンもまた演出の一環としてハトを飛ばせたと弁明している。国際コンテストで金賞を受賞した作品だ。ハトを合成しなくても報道写真としての「力」は十分にあったのではないかと思われる。ただ唯一足りなかったものが報道カメラマンであることに対する彼の「プライド」だったということだ。

写真とはそれを写した者の力強い意志で色づくものでもあるのだ。



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