日産 ローグ・ローグ

日産 ローグ・ローグ

日産『ローグ』は命名ミス?Responseより)

ネーミングとはほんとに難しいものだと改めて思う。

日産のSUV『ローグ』(日本名 デュアリス)がその名前のイメージと実車のイメージが合っていないと、アメリカで話題になっている様子だ。しなやかで躍動的なスタイル、加えて最先端の巡行性能を持つ車の名前が、ローグ(悪漢、はぐれ者)とはいかがなものか。というわけだ。日産の担当者は「お茶目な、いたずらな」といった二次的な意味解釈として採用したにもかかわらず、アメリカの購買層は前者の意味合いを当てはめてしまった。

しかし、このローグという言葉が持つ2つの意味には驚かせられる。悪漢とお茶目。背反する2つの意味を持っているとは。そりゃ日産の担当者を責めるわけにはいかない。事前チェックを怠っていたとも考えにくいし、まさに言葉の流動性のワナにはまったという感じだろうか。今さら車名変更という手段をとるかどうかは明らかではないが、イメージは格段に落ちることにはなるまいか。もうこの際、ローグという名前を押し通して、「全米のスタイリッシュな犯罪者」にターゲットを絞って販売すれば、あぶく銭をまき散らして購入してくれる極悪非道な顧客がマーケットを形成してくれるかもしれない。

犯罪者をターゲットにするなど言語道断だという日産上層部の声を信じるならば、もう名前をローグ・ローグにするってのはどうだ。デュラン・デュランみたいにローグ・ローグ。プリンセス・プリンセスみたいにローグ・ローグ。なんならKYON2みたくローグ2。もちろん意味は2つの意味を組みあわせて「お茶目な悪漢」だ。ほらこれで販売ターゲットはシリアスな犯罪者ではなくなった。

そればかりではない。免許取り立てのヤングアメリカンが「お茶目な悪漢だって、オニうけるんですけど」だとか「お茶目な悪漢ギザカワユス」って日本文化を理解するという名目で親に無理言って買ってもらったり、「いたずらなはぐれ者」と解釈したニートにいたっては、これを機に協調性を身につけるべく購入に踏みきり、愛好家チーム「ローグ・ローグ」を結成。ブームが飛び火した日本でも、デュアリスがあるにもかかわらず、ローグ・ローグの逆輸入が開始され、はぐれ刑事の安浦刑事をCMに起用し、「エリ、ユカ、どうだお父さんローグ・ローグ似合ってるだろう」と中高年にアピール。もちろん2008年カー・オブ・ザ・イヤーは総ナメだ。

企業にとって商品あるいは製品に名前をつける時ほど頭を抱えることはないのではないか。いくら高品質の素晴らしい製品であったとしても、ネーミングのセンス次第では消費者に粗悪なイメージを与えかねない。その逆のパターンもあり得るのだから消費者にも製品の善し悪しを見抜く眼力が必要とされる。

世界に名だたる日産が品質の芳しくない車を販売するはずもないのだが、最終工程で、イメージという目に見えないものを取り付ける作業で犯したミスを消費者に指摘されたことは、何よりも重大な品質事故だと言えるだろう。



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