ランボルギーニ・ジレンマ

ランボルギーニ・ジレンマ

ランボルギーニ社、排出ガス規制「無視」を公言WIRED VISIONより)


私たち俗に言うスーパーカー世代にとって、ランボルギーニといえばフェラーリと双璧を成す憧れの車だった。中でもランボルギーニカウンタックはあの時代の最高峰に位置する人気車で、小学生だった私たちの周りに知らない人はいないほどだった。フェラーリの流麗なフォルムとは対照的なゴテゴテしたロボットのようなボディにカラフルなイタリアンカラーを身に纏ったその姿に、一喜一憂していたものである。

そのランボルギーニ社がこのエコロジー社会の中にあって欧州で開始されるCO2排出量規制の基準を満たす車を作るつもりはないと言っているらしい。さすがに老舗の頑固職人。時代に迎合しない一本筋の通ったポリシーを感じる話ではある。しかし昔からのファンである人達にとってはどうだろう。果たして手放しで喜んでいいものか。

ランボルギーニ社に車載されるエンジンというのがこれまたV型12気筒やV型10気筒などの大排気量エンジンでひとたびアクセルを踏み込めば咆哮と呼ぶに相応しい官能的なサウンドが大地を揺るがす。ボディデザインもさることながら、往年のファンはこのエンジンサウンドに惹かれ続けているのだ。まさにエコロジー思想とは対極を成す工業製品だと言っていい。そのエンジンが排出ガス基準を満たそうとすれば喉にナイフを突き刺された猛獣も同然、そのサウンドを感じることは二度と出来なくなる。ファンにとっては時代を取るか伝統を取るかのランボルギーニ・ジレンマであるというわけだ。

ポルシェ社はハイブリッド車の開発に名乗りをあげ、フェラーリ社はバイオエタノール燃料車を披露している。自動車の思想を根本から覆すような世の中の動きに対してスーパースポーツカーといえども敏感に反応したメーカーは明らかに生き残りを賭けた戦いを挑んでいると言える。世界の潮流に逆らえばどのような結果になるかということは考えずとも理解できよう。

これに対してランボルギーニ社は発売されている同社の車の平均燃費がリッター5kmで顧客の1年間の平均走行距離が8000kmであり環境に対する影響は少ないとしている。

ランボルギーニのエンジンサウンドが歴史から失われることは私自身も寂しい気はするが、このような発言で己の伝統を死守しようとするランボルギーニ社にはどこか企業に根付いた利己的な悪意を感じるのは気のせいばかりではないはずだ。

ランボルギーニとて永遠ではない。

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