夢を届ける空飛ぶ象

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筑豊のビートルズ、コザに 音楽の街アピール琉球新報より)


フライング・エレファンツというバンドをご存知だろうか。私たちの故郷、福岡県の筑豊地区で1973年より活動を開始したビートルズのコピーバンドだ。当時の彼等はそれぞれの仕事をしながらの活動であったにもかかわらず、これがただ者ではなかった。ヴォーカルの安部米央(あべ よねおう)のポール・マッカートニーばりの声質もさることながら、各パートの演奏技術は本家を凌ぐほどの正確さで、聴いていると妙な錯覚に笑みがこぼれるほどだった。次第にその名前は全国区となり、オリジナル楽曲の制作にも力を注ぎ、その存在を広くアピールすることに成功した結果、92年ニューヨークはカーネーギーホールでの公演を実現するという快挙を成し遂げた。音楽業界を震撼させたこの一大事もどこ吹く風、その後もビートルズサウンドをベースに鋭意活動を続けている。

そのフライング・エレファンツが先月の26日に沖縄のコザで公演を開催したという。沖縄のコザといえばその昔より芸能の街というイメージが強い。事実、沖縄ポップカルチャーの雄、照屋林助が戦後沖縄の混沌とした状況を笑いと音楽で打破していった歴史を見てもイメージにとどまらず明らかではあるが。

そのコザの商店街連合会が音楽の街コザをアピールする意味を込めてフライング・エレファンツを招聘したというのは、とても面白い選択だと思う。来る者(物)拒まずのチャンプルー文化である所以はそこにある。星の数ほどあるバンドの中でビートルズのコピーバンドを選んだのも音楽の街をアピールするという手段において絶大な効果を期待した結果であろう。万人に楽しんでもらえない文化など文化とは呼べない。コピーだろうがパクリだろうが娯楽だろうが楽しければそれでいいじゃないか。ビートルズは今をしてなお、その頂点に君臨している唯一無二の存在だと言える。

混沌の中で生まれるモノこそ人々が心から望む不動の文化である。
そのような考え方が根底を流れる沖縄の文化が面白くないわけがない。

フライング・エレファンツもまた沖縄の夢の一つと成り得たならば、筑豊出身者としてこんなに喜ばしいことはない。


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