あやしくない探検隊

あやしくない探検隊



現代人が忘れた「探検」取り戻す雑誌『探険倶楽部AGAIN』刊行J-CASTニュースより)

山と溪谷社は、雑誌『山と溪谷』の2008年8月号増刊として、「探険」をテーマにしたカルチャーマガジン『探険倶楽部AGAIN』を刊行した。

探検といえば子供の頃のライフスタイルの一環だった。目に見えるあらゆる事象が興味の対象となっていた年頃、学校が休みの日ともなれば朝から友達と連れ立って近所の山や川に入っては、何か面白いものはないかと探検、あるいは冒険に出かけていた。秘密基地を作り、それぞれの役割分担を決め、万が一の敵からの攻撃に備えて武器なども調達していた。誰が書いてきたのか、宝の場所が記された地図を広げ、戦略会議も開かれた。心の中では何もないことは分かっていたが、何かがあると信じていたあの頃。男性の方なら誰もが経験しているはずである。

その心躍るワクワクした気持ちは今も変わっていない。「探検」という言葉を聞くたびに、得体の知れないもの、あるいは新しい発見、引いては未知なる価値観の存在を気持ちの中に新たにする。まさにこの雑誌の内容に合致する。誰もが手軽に行ける場所にはもはや何もないことは情報過多な現代に総じて言えることである。第1号となる今回の特集は口永良部島の火山や奥只見の片貝ノ池などの秘境で、第2特集ではペルーのインカ帝国遺跡群やラオスの少数民族を取り上げているらしい。ページをめくる手のスピードがゆっくりになること必至だろう。加えて吉本隆明らの論文やエッセイなども充実しているというから最近ネットばかりで雑誌にほとんど目を向けなくなった私にとってもリラックスした時間が過ごせそうだ。

これだけ出版社の雑誌販売数が軟調を示す中、探検をキーワードにした雑誌がどこまで躍進できるのかは定かではないが、この『探険倶楽部AGAIN』は隆盛を極めるアウトドアの概念の先をきっと私たちに提供してくれることだろう。

子供の頃、世界を感じるままに見つめていた目をもう一度こすってピントを合わせ直すのも、この夏いいかもしれない。


山と溪谷増刊 探険倶楽部AGAIN



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