水平対向歌合戦

水平対向歌合戦

2008年の“ベストエンジン”、決まる!webCGより)


カー・オブ・ザ・イヤーはよく耳にするけれど、エンジン・オブ・ザ・イヤーは初耳だ。具体的に言うと運転時の印象、技術、性能、それに燃費と洗練度などが評価対象となり、総合的に見てもっとも優れたエンジンに与えられるという。さらに、各排気量別のベストエンジン賞や、燃費の優れたエンジンを表彰するグリーンエンジン・オブ・ザ・イヤー、ベストニュー・エンジン賞などの部門賞も設定されている。結果BMWの3リッター直6・直噴ツインスクロールターボエンジンが2年連続で大賞を受賞した。

中でも気になる排気量別ベストエンジンの結果を言うと

・1.0リッター以下クラス :トヨタ 1リッター直列3気筒
・1.0〜1.4リッタークラス:VW 1.4リッター直列4気筒ツインチャージャー
・1.4〜1.8リッタークラス:BMW・プジョー 1.6リッター直列4気筒ターボ
・1.8〜2.0リッタークラス:VW 2リッター直列4気筒ターボFSI
・2.0〜2.5リッタークラス:スバル 2.5リッター水平対向6気筒ターボ
・2.5〜3.0リッタークラス:BMW 3リッター直列6気筒ツインターボ
・3.0〜4.0リッタークラス:BMW 4リッターV型8気筒
・4.0リッター以上クラス :BMW 5リッターV型10気筒

そのほとんどがBMWが占めているのがちょっと鼻につかないでもないが、中でも2.0〜2.5リッタークラスのスバルの水平対向エンジンには心より拍手を送りたい。これはおそらく開発者にとって何よりの歓びだろう。このスバルの水平対向エンジンの歴史は1966(昭和41)年に発売された「スバル1000 4ドアセダン」から始まっているというから、ちょうど私と同じ歳になる。

しかしこの水平対向エンジンには、エンジン構造が複雑な上、ダブルウィッシュボーンのような大型のサスペンションが組みにくいというデメリットもある。以前は多くのメーカーが採用していたこの水平対向エンジンだが、シンプルでコスト面で有利という理由で各メーカーは直列エンジンへと方向転換を余儀なくされた。その中で唯一スバルだけは妥協せずに水平対向エンジンを追求し現在に至るわけだが、それはもう職人気質そのものだと言える。己の信念を貫き、その思想を愛し続けた結果、スバリストなる熱狂的な信者を産んだ事実を見ても明らかである。

スバルの車を見かけたらそのエンジン音にしばし耳を澄ませるといい。飼い犬も覚えるという「ボロロロロ」という心地よいサウンドが胸に伝わってくるだろう。歴史に裏打ちされた重厚なそのサウンドにエンジン・オブ・ザ・イヤー部門賞受賞も納得できるはずだ。

自動車というものは、なにかとそのボディスタイリングに目を奪われがちであるが、実際に乗車してみて楽しいのは、エンジンフィールと足回りだといつも思っている。飽和状態にあるボディデザインはよほど特別な車でないかぎり没個性な存在だ。その中にあって伝統を重んじ時流に流されない意思が息づくスバルのエンジンあるいは車体そのものが特別なものであることに異論を唱えるものはないだろう。

自動車は常に自動車以上の存在であってほしいと願う。

まっ、いつも言ってるように買えないが。






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