カラスの勝手と人類の身勝手

カラスの勝手と人類の身勝手

電柱カラス 減らぬなら住ませてみようasahi.comより)


昨日のハトに続いて今回はカラス。

カラスの巣による停電被害に悩まされ続けた四国電力徳島支店が、約10年前より電気を通さない合成樹脂製の網状カゴの巣作り台を電信柱上に設置しているという。県内150ヶ所に設置し、60ヶ所にカラスが実際に住み着いていることが確認されているが、その効果もあって停電の発生件数は随分と抑えられているらしい。

カラスの害に業を煮やしている方にとっては、いかんともしがたい話だと思うけれど、この発想の転換はなかなかにお見事とは言えないだろうか。要は共生。

エコロジーブームとともに今最も叫ばれているのが自然との共生だろう。自分達の利益や利潤のために自然を排除してしまえば、やがてその代償として私達に別の害が及ぶようになることは、昨今のニュースでも分かるように現実味を増してきている。自然のバランスというものは、車のハンドルの「あそび」のようにもはや衝撃を吸収できる余地はない。少しの衝撃もダイレクトに影響を及ぼすほどのシビアさで、それを崩しつつある。

現在の様々なエコロジーや自然との共生への活動のほとんどは、埋め立てた土をもう一度掘り起こして除去しているだけのようなものではないだろうか。埋め立てる前の状態に戻すには埋め立てていた期間の何十倍もの時間がかかるだろうし、事実、本来のバランスに戻ることはない。表面上を取り繕うだけの活動ではなく、あくまでも自然の理にかなった活動でなければ時間を無駄にするだけに終わってしまう。自然のバランスとは、人間が考えている以上に繊細なものだ。だからと言って何もしないよりはその効力は多大ではあるとは思っている。今はまさに自然との共生、共生が産む再生へ向けて人類がスタートを切ったばかりと言っていいのかもしれない。

古来、日本においてカラスは吉兆を示す鳥であった。日本サッカー協会のシンボルでもある「八咫烏(やたがらす)」が松明を掲げて人々を導いた神話ではないが、四国電力のとったこの発想の転換は、私達の意識を少しでも変える一光として明るく行き先を照らしてくれている。



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