007は二度フラれる

007は二度フラれる

ブライアン・フェリー「007の悪役をやりたい」BARKSより)


なんなんでしょうかね。フェリーおじさまったら。

ロキシー・ミュージックのヴォーカリスト、ブライアン・フェリーは007映画の悪者役を演じたいと駄々をこねているそうだ。ファンである私が言うのもなんだが、結論から言うと無理だ。まず声に張りがない。和風に言えばドスが効いていない。ロキシー・ミュージックで歌うあの頼りなくビブラートする声こそ彼の真骨頂であるのだが、低音でお腹にズシッとくる野太い声を出さないことには迫力に欠けるどころか、目の前のジェームズ・ボンドも素通りしてしまう。

お次はルックス。駄目だ駄目だ。その辺の疲れたビジネスマンであればハマリ役かもしれないが、ジェームズ・ボンドに対抗する悪役とあらば途方もなく役不足だ。顔はCG処理や特殊メイクでいかようにも悪そうに加工することは可能であるが、いかんせん彼の持つ雰囲気からにじみ出る人柄は隠しようもない。要は気のいいオッサンなのだ。

しかし残念がってもいられない。映画に出演が無理だとしたら007の映画音楽を作りたいと豪語しているから頼もしいではないか。我田引水と言えば言葉は悪いが音楽は彼のフィールドだ。これは是非実現してもらいたい。20年以上も前に40年先の音楽を作ったブライアン・フェリー。どのようなモノになるのかを考えるだけでも胸が躍る。音楽の奥行きと広がりを表現させれば、彼の右に出るアーティストはいない。彼の音に対するイメージの喚起力は誰よりも繊細で尚かつ大胆だ。007という映画が持つシックなエンターテインメント性に添ったシュールな楽曲を提供してくれるはずだが。

さらに欲を言えば、彼にはジェームズ・ボンドを演じて頂きたい。もちろん悪役にはミック・ジャガーだ。ルックス的にも納得が出来る。過去にモデルのジェリー・ホールという恋人をミック・ジャガーに寝取られた彼だ。怒り狂ったブライアン・フェリーがジェリー・ホールを救出するために悪の権化ミック・ジャガーとドンパチやれば、20世紀に忘れられた切ない恋のリベンジに世界的な大ヒット間違いなしだろう。もちろんラストはブライアン・フェリーがフラれて試合終了。007史上初のジェームズ・ボンドの負け。

ネタ元記事によれば、ブライアン・フェリーの息子オーティス・フェリー(25歳)が女性に何やらしでかして公判中だという。パパの悩みは尽きないけれど、老いてなお貪欲に表現を模索し続ける彼に、見習うところは大きい。



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