美は乱調にあり

美は乱調にあり

昨年、最も輝いていた女性と言えばこの二人だろう。


左は銀行員から転身してNHKのお天気お姉さんになった半井小絵(なからい・さえ)さん。右は2007年ワールドバリスタチャンピオンシップで日本人初の女性、加えて27歳最年少ながら第4位を獲得した宮前みゆきさんだ。ちなみにバリスタとはエスプレッソ抽出士。この二人が昨年輝いていたとは言ったが、その是非については私のビジュアル的主観が120%入っているために伝わりにくい面もあろうかと思うが、そこのところは無視して頂いてかまわない。

それにしてもこの二人を見比べて何かお気づきではないだろうか。そう、口の端が片方だけ上がっているのが分かる。これは顔相で言うところのヤリマンである、というのは大嘘だが、なんとも魅力的だ。見方によっては良からぬ事をたくらんでいるように見えなくもないが、人格者としての彼女等の活躍がそれを抑えてなお余りある美の一部として機能している。

顔の左右が寸分違わぬ人はいないと聞いたことがある。もしいたとしたら、逆に不自然だとも。子供の頃に自分の顔の中心部に垂直に手鏡を当てて、左右対照になった顔を見せ周囲を笑わせたり、独り悦に入ったりした経験は誰でもお持ちだろう。まさにあれだ。あれは意外にウケる。独りで鏡に映してもウケる。今スグにでもしたいくらいにウケる。手鏡はあれをするために存在するのか?ああ、そのためだ。

産まれてすぐの赤ちゃんの顔はほぼ左右対称になっているらしい。しかし成長するにつれて様々な人と出会い、様々な感情が芽生え、それを言葉に出し、顔に出していくうちに非対称となっていく。顔は各人の生き様を描くための日々変化し続ける美しきキャンバス。色とりどりの絵具を使って、豊かな感性を色付けていく。美は乱調にありというが、より多くの体験が入り乱れて美しい「顔」という絵が完成していくのだろう。

まあ半ば描き損じている人も多々見かけるが。それはそれということで。




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