本番中に本番
魔法のキス、ピンチ救う 智弁和歌山バッテリー(asahi.comより)
野球に青春を賭けている高校生にとって、夢のまた夢、大目標である甲子園のマウンド上でピッチャーとキャッチャーのラブシーンが展開されたという。
智弁和歌山のキャッチャー・森本選手だ。このニュースを読んで、大爆笑した後に彼の空気をガラリと変えるその「超能力」に唖然とする。ピンチを迎えた8回のウラ、2アウトランナー3塁というピンチにキャッチャー森本はピッチャーの林が緊張していることを察知したのかタイムを取り、マウンドに駆け寄って行って頬にキスしたという。キャッチャーは女房役と言われるが、まさに夫婦同様、絶対的な信頼関係がなしえる戦略の一つと言えるだろう。
昔、「ドカベン」という高校野球を題材にした漫画を覚えている人も多いと思うが、そのドカベンの中で印象深いシーンがある。主人公の捕手、山田太郎がガチガチに緊張したナインを大アクビ一発でリラックスさせた場面。通常だと「しまっていくぞー」とナインを鼓舞するところが大アクビなのだ。緊張している人間に「ミスをするな」「絶対に勝て」と言ったところで、逆効果になることは分かっている。まずは緊張を解いてやることを考えないことには、先へ進んでも期待するような結果は得られない。しかし時間は迫り来るばかり。
さて、どうする。といった時に智弁和歌山の森本や山田太郎のようなやり方が一番有効になる。そう、一発芸だ。アクビやキスといったその場の緊張感にそぐわない行為であればあるほど効果は絶大になる。やる方に度胸が必要になることはもちろんだ。やられるな、と悟られれば効果は半減してしまうから絶妙なタイミングと一瞬で心をつかむネタの精度が要求される。
例えば耳を出してみてはどうだろうか。マウンドに駆け寄ってピッチャーの目前で「こんなんなっちゃたー」ってやつだ。もちろん、山の手線の駅名を順に読み上げると言って、2番目のところでゲップするのもかなりの効果が期待できる。3球目をキャッチする時にアホになって、5球目に犬っぽくなれればもう最高だ。キャッチャーにその器がなければ、監督の出番だ。ピンチの時にマウンドへ駆け寄る控え選手にケイタイを持たせてKY語で書かれたメールを見せてはどうだ。「RS、RS。お前のユニフォームPK」。ピッチャーからの返信はメールでなくて結果で出す、みたいな。
山田太郎が大アクビでリラックスさせてから30年近くは経ったろうか。現在では時代も変わってキスになった。この先もいろいろな方法でピッチャーをリラックスさせる方法が編み出されるかもしれないが、今から30年後の甲子園のマウンド上でピッチャーとキャッチャーの青春ナマ本番が見られる時がくるまで、私は生きたくない。
野球に青春を賭けている高校生にとって、夢のまた夢、大目標である甲子園のマウンド上でピッチャーとキャッチャーのラブシーンが展開されたという。
智弁和歌山のキャッチャー・森本選手だ。このニュースを読んで、大爆笑した後に彼の空気をガラリと変えるその「超能力」に唖然とする。ピンチを迎えた8回のウラ、2アウトランナー3塁というピンチにキャッチャー森本はピッチャーの林が緊張していることを察知したのかタイムを取り、マウンドに駆け寄って行って頬にキスしたという。キャッチャーは女房役と言われるが、まさに夫婦同様、絶対的な信頼関係がなしえる戦略の一つと言えるだろう。
昔、「ドカベン」という高校野球を題材にした漫画を覚えている人も多いと思うが、そのドカベンの中で印象深いシーンがある。主人公の捕手、山田太郎がガチガチに緊張したナインを大アクビ一発でリラックスさせた場面。通常だと「しまっていくぞー」とナインを鼓舞するところが大アクビなのだ。緊張している人間に「ミスをするな」「絶対に勝て」と言ったところで、逆効果になることは分かっている。まずは緊張を解いてやることを考えないことには、先へ進んでも期待するような結果は得られない。しかし時間は迫り来るばかり。
さて、どうする。といった時に智弁和歌山の森本や山田太郎のようなやり方が一番有効になる。そう、一発芸だ。アクビやキスといったその場の緊張感にそぐわない行為であればあるほど効果は絶大になる。やる方に度胸が必要になることはもちろんだ。やられるな、と悟られれば効果は半減してしまうから絶妙なタイミングと一瞬で心をつかむネタの精度が要求される。
例えば耳を出してみてはどうだろうか。マウンドに駆け寄ってピッチャーの目前で「こんなんなっちゃたー」ってやつだ。もちろん、山の手線の駅名を順に読み上げると言って、2番目のところでゲップするのもかなりの効果が期待できる。3球目をキャッチする時にアホになって、5球目に犬っぽくなれればもう最高だ。キャッチャーにその器がなければ、監督の出番だ。ピンチの時にマウンドへ駆け寄る控え選手にケイタイを持たせてKY語で書かれたメールを見せてはどうだ。「RS、RS。お前のユニフォームPK」。ピッチャーからの返信はメールでなくて結果で出す、みたいな。
山田太郎が大アクビでリラックスさせてから30年近くは経ったろうか。現在では時代も変わってキスになった。この先もいろいろな方法でピッチャーをリラックスさせる方法が編み出されるかもしれないが、今から30年後の甲子園のマウンド上でピッチャーとキャッチャーの青春ナマ本番が見られる時がくるまで、私は生きたくない。







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