転がされるリック

リック・アストリー

YouTubeのエープリルフールねたは「RickRoll」
TechCrunch Japaneseより)

「RickRoll(リックロール)」というウェブでのイタズラが流行っているらしい。
偽のリンクを貼って、実際にはRick Astley(リック・アストリー)の代表曲
「Never Gonna Give You Up」の映像に飛ばすという手法。

エイプリルフールの一環で、YouTubeのイギリス版オーストラリア版において
Featured Videosの欄に表示された作品のすべてにこの「RickRoll」が仕掛け
られていたそうな。
現在は通常の状態に戻っている様子。ちなみに一般的にエイプリルフールが有効
なのは4月1日の午前中のみ。

こういう扱われ方をしているところを見ると、リック・アストリーという
シンガーに対する一般の認識は海外でも(少なくとも英国と豪州においては)
ほぼ共通していると思われる。
嘲笑の対象。印象から受ける妙な違和感。いわゆる“一発屋”的たたずまい
(彼の場合ヒット曲は他にもいくつかあるので厳密には一発屋ではない)。

YouTube - Rick Roll (Rick Astley - Never Gonna Give You Up 1987)

上記の映像、再生回数が現時点で8,791,300回となっている。
それだけの人々が「引っかかった」という結果なのかもしれない。
純粋にこの曲に興味を持つ人が集まっただけでは、これほどの数は集まらない。

私個人としては、彼の歌やキャラは決して嫌いではない。
良い歌手だと思う。
飛び抜けて優れているというわけでもないが、何せポップだ。
嫌味なほどにポップだ。
そこが「からかい」の標的になりやすい面でもある。
80年代のイメージそのものを背負わされてしまっているような。

私がカラオケで主に洋楽を歌う、という件については先日書いた
しかしリック・アストリーの曲はこれまで一度も歌ったことがない。
できれば歌ってみたいのだが。
サビ以外をまったく覚えていないのだ。
不思議なほど印象に残らない。
これほど「機能的」なポップミュージックは他にないかもしれない。
当時一世を風靡したプロデューサーチーム、ストック・エイトケン・
ウォーターマン
ならではの完全なる“商品”としてのプロダクト。
皮肉ではなく、素晴らしいことだと思う。
80年代は数々の敏腕プロデューサーがヒット曲を次々と世に送り出す
「工場」の役目を果たしていた。
それは実はポップミュージックが普及し始めた50年代からの変わらぬ伝統である。
ただ、曲の質は、時代を経るごとに下がっていったのかもしれない。
50年代のヒット曲は、サビ以外のメロディも「強い」。

私は、強いメロディの曲が好きだ。
そしてそれこそが、ポップミュージックと呼べるものだと思う。
プロデューサーがすべてを支配する形態はすっかり廃れてしまったが、
もっとプロフェッショナルな音が聴きたいとつねづね願っている。

音は、後世まで残る。
リックのように、本人の意図しない形においても、残る。


参考:“Rickroll”という言葉とともに蘇った(?)被差別音楽家リック・アストリー
YAMDAS現更新履歴より)


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1コメント あり “転がされるリック”

  1. #690 YouTubeが仕掛けたエイプリル・フール




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