くいだおれ、たおれる

くいだおれ

大阪名物「くいだおれ」の閉店のお知らせ話のタネニュース:イザ!より)

くいだおれ』が今年07月08日に閉店することを発表したそうだ。
私自身は、行ったことがない。
というか道頓堀へはあまり行かない。

存続することはできたことだろう。ただ存続するだけなら。
しかし創業者の遺言
一、支店を出すな
一、家族で経営せよ
一、看板人形を大事にせよ
を守ることが難しくなった、という理由はうなづける。
家族での経営、が一番のネックだったのではないかと想像する。

故人の遺した言葉、というものは、遺族に思いのほか重くのしかかる。
その後の一族の行く末を決めてしまいかねないほどに。
故人自身は、その遺族のことを思って口にしたものかもしれないが。
時が経つにつれてその教えは「強固」になっていく。
家訓という概念を超えて、一族にとっての憲法にまで成長していく。

家族のための店か、店のための家族か。
くいだおれは、結果的に「家族」を採ったことになると思う。
遺言を破って暖簾を貶めるくらいなら、暖簾そのものを畳む。
そうすることで、故人と家族を守る決断を下した。
ともすれば暖簾が一人歩きするご時世にあって、この英断には
拍手を送るべきではないか。
故人はおそらく、ようやった、と彼らを労うに違いない。

長年に渡って大阪の街を代表してきた店舗の灯が消えるのは確かに寂しい。
だが灯は消えても、イメージは消えない。
道頓堀は相変わらず“くいだおれ”の街であり続けることだろう。

その使命を、あの街は担っている。


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