それでも人々は速い車を求める
オールスターキャノンボール大会1
オールスターキャノンボール大会2
『オールスターキャノンボール大会』は、1991年の正月にTBSで放送された
特別番組で、車好きの芸能人・著名人が公道(主に高速道路)を無許可で爆走し
順位を争うという無謀な企画。
司会は所ジョージ、プロデュースはテリー伊藤。
参加者は
01. 高田純次: スカイラインGT-R・NISMO
02. ヒロミ: メルセデス・ベンツ 560SEL
03. 岡安由美子: 三菱・ミラージュ・サイボーグ
04. 林家しん平: フォルクスワーゲン・タイプ1・カブリオレ
05. 三原じゅん子: シボレー・コルベット
06. 井倉幸一 (イクラ): シボレー・コルベットZR-1
07. つまみ枝豆: NSX(AT)
08. 池沢さとし: フェラーリ・テスタロッサ
09. 徳大寺有恒: NSX(MT)
言うまでもなく現代では到底実現不可能と思われる無茶苦茶な内容なのだが、
その無茶ぶりが楽しい。
当時も当然ながら問題になったらしく、テリー伊藤は警察に出頭し書類送検されて
いるらしいが、おそらく本人にとっては痛くも痒くもなかったことだろう。
テレビ業界が最も輝いていた時代、といえるかもしれない。
そのはみ出し加減を心得ていたのが、テリー伊藤という人なのだと思う。過去形。
車は基本的に、より速く移動するための道具である。
だがその本来の性能を確認することは、日常ではほとんどできない。
車の、「あるべき姿」。
たぶんそれは車が最も美しい瞬間だと思う。
だからこそ人々は大挙して郊外のレース会場に詰めかける。
みんな、限界まで回転し疾走するマシンの姿を見たいのだ。
そしてこの番組も番組として(当時は)成立し得たわけで。
テレビだから、芸能人だから許されるというわけではない。
しかし、過去に悪ふざけが許容されていた時代が我が国にもあった、ということ。
それを確認する上で、これらの映像は貴重だ。
モータースポーツは今後、どんどん衰退していく(もしくは路線の変更を余儀なく
される)ことだろう。原油高の影響もあるし、人々の心理の変化もある。
だが車の「性能」を知る上で高速回転させることは避けて通ることができない。
快適な運転性や低燃費はサーキットからこぼれ落ちてくる技術だと思う。
私はスポーツタイプの車に乗ったことがない。
これからも乗ることはないだろう。
しかしそれらの車の美しさは、わかるつもりだ。
足枷から解き放たれた獣。
それはまぎれもなく非日常であり、我々が心惹かれる光景である。
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