Our Dance

阿波踊り

現在、所用で徳島市内に滞在している。

夜、ふらりと街を歩いてみると、強烈なビートが鳴り響いていた。
どこかで阿波踊りの練習をしている様子。

この時期からもうやっているのか、と一瞬たじろいだが、
以前テレビで見た「連(れん:踊りのグループ)」の活動を思い出して
即座に納得した。彼らは阿波踊りを単なる「祭り」とは考えていない。
踊りに取り組む姿勢は誰もがとことん求道的で、ストイック。
踊ることで自分を解放し、踊ることで自分と向き合う。
部外者は飛び入りで参加しようなどとゆめゆめ考えてはならない。
相応の“覚悟”が求められる。彼らは魂で踊っているのだ。

日本の中では特異な、2拍子の早いリズム。
それがシャッフル気味に変幻自在にハネる。そして絶妙のうねりを生む。
スタイルとしては沖縄民謡と共通点があるが、方向性はかなり違う。
実際に耳にして驚いたのが、太鼓の凄まじい低音の出方。
なるほど、ダンスミュージックそのものだ。
間違いなく人を踊らせるために特化され発達した強靭なアンサンブル。
これは太刀打ちできない。
どんなに冷静な人格者でも自然と足が動き始めることだろう。

近代的なビルが立ち並ぶ風景の中、土俗的といってもいい太鼓の音が
まるで当然のことのようにそこに共存し、夜の空気に絡み付いていた。
不思議な街だ。
たぶんこれが「文化」というものの最も理想的な在り方だと思う。

さらにあてどもなく歩みを進めると、何ともインパクトのある奇抜な
外観の施設に思いがけず出くわして、これまた驚かされる。

阿波おどり会館:徳島市

“いつでも「阿波おどり」が見られるのがうれしいね!”
(上記サイト内より引用)

まあ嬉しくないこともないが。
そんな唐突に見せられても観光客は置いてけぼり。

阿波踊りは見せるためのものではない。
実際に踊るためのものである。

それを確認させるうえでも、この施設の存在は有益といえるかもしれない。


関連記事

コメントを書く

次のXHTMLタグが使用できます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

トラックバックURL